プロフィールは整えたし、「お仕事のご依頼はメールへ」とも書いた。それなのに、企業から問い合わせが来ても「媒体資料はありますか?」と聞かれて、何を送ればいいのか分からない。自分から企業に提案してみたいけれど、どんな資料を用意すればいいのか見当もつかない。そんなふうに、あと一歩のところで止まっていませんか。
企業の担当者は、依頼するかどうかを決めるときに、プロフィールだけでなく、フォロワーの属性や投稿の反応、これまでの実績をまとめた資料を見て判断します。この資料が「メディアキット(媒体資料)」です。用意しておくだけで、やりとりがぐっとスムーズになり、フォロワーが多くなくても、発信の強みを伝えられます。
この記事では、Instagramのメディアキットに入れる項目と、インサイトの数字の選び方、実績がないときの見せ方、送るタイミングや条件の確認までを、具体的な手順で解説します。
仕事の依頼が来るプロフィールの整え方は、noteの記事で紹介しています。この記事では、その次の段階として、企業に見せる資料の作り方を一歩踏み込んで解説します。
※この記事はプロモーションを含みます。
Instagramのメディアキット(媒体資料)とは
まずは、メディアキットとは何か、なぜ必要なのか、何を入れればいいのかを整理しましょう。項目さえ決まれば、作るのは難しくありません。
メディアキットとは?企業案件で必要になる理由
メディアキットは、自分のアカウントの特徴や数字、実績を、企業の担当者向けに1〜2ページにまとめた資料です。雑誌やWebメディアが広告主に渡す「媒体資料」の、個人の発信者版と考えると分かりやすいでしょう。
担当者は、社内で「この人に依頼したい」と説明する必要があります。プロフィールの画面だけでは、フォロワーの年齢層や、投稿がどのくらい見られているかが伝わりません。メディアキットがあれば、担当者はそのまま社内の資料として使えるため、依頼の判断がしやすくなります。
メディアキットに入れる6つの項目
メディアキットに入れる項目は、次の6つが基本です。すべてを細かく書く必要はなく、担当者が知りたいことが、ひと目で分かることを優先します。
| 項目 | 書くこと | ポイント |
|---|---|---|
| プロフィール | 名前、発信テーマ、得意なこと | 「10分で作れる親子おやつ」のように一言で |
| アカウントの数字 | フォロワー数、平均の閲覧数、保存数 | 直近の期間の数字を、期間とあわせて書く |
| フォロワーの属性 | 年齢層、性別、地域 | インサイトで確認できる範囲で |
| 実績 | 過去の案件、代表的な投稿 | 実績がなければ代表作で |
| できること | 投稿の形式、撮影、レシピ開発など | フィード・リール・ストーリーズを分けて |
| 連絡先 | 仕事用のメールアドレス | 返信の目安もあわせて |
料金は、メディアキットには載せずに、依頼の内容を聞いてから見積もりとして伝える方法もあります。投稿の形式や二次利用の有無によって作業量が大きく変わるため、最初は「内容をうかがってお見積もりします」としておくと安心です。
インサイトから載せる数字の選び方
メディアキットに載せる数字は、プロアカウントのインサイトで確認します。フォロワー数だけでなく、投稿の平均の閲覧数や保存数、フォロワーの年齢層や性別など、企業が「自社の商品を届けたい人に届くか」を判断できる数字を選びましょう。
数字は、「過去30日間」のように期間を決めて、その期間の数字を書きます。いちばん伸びた投稿の数字だけを載せると、実際に依頼したときの結果と差が出てしまうため、平均の数字を中心にするのが誠実です。インサイトの指標の意味は、次の記事で解説しています。

実績がないときの見せ方
まだ企業案件の実績がなくても、メディアキットは作れます。実績の代わりに、得意なジャンルで反応のよかった代表作を3〜4つ選び、「こんな投稿が作れます」という見本として載せましょう。
自分で購入した商品の紹介投稿や、レシピの工程を分かりやすく見せた投稿などは、企業にとって依頼したときのイメージがわく見本になります。保存数が多かった投稿は、「保存される情報を作れる」という強みとして伝えられます。
Canvaで資料を作る方法がわかる本
テンプレートの選び方から、文字や写真の配置まで、Canvaでの資料づくりを基本から学べる解説書。メディアキットを見やすく仕上げたいときに役立ちます。
メディアキットの作り方とテンプレートの使い方
メディアキットは、Canvaなどのデザインツールで作ると、短い時間で見やすく仕上げられます。プレゼンテーションや資料のテンプレートを選び、6つの項目を1〜2ページに配置しましょう。完成したら、PDFで書き出しておくと、メールに添付して送れます。
色や写真は、Instagramの投稿一覧の雰囲気とそろえると、アカウントの世界観が伝わります。文字は詰め込みすぎず、数字は大きめに見せるのがコツです。見出し画像をCanvaで作る手順は、次の記事でも紹介しています。

メディアキットを企業案件につなげる使い方
ここからは、作ったメディアキットを、実際の依頼や提案につなげる使い方を解説します。送るタイミングや、更新のしかた、条件の確認まで押さえておきましょう。
送るタイミングと、メールの添え方
メディアキットは、企業から問い合わせが来たときの最初の返信で、依頼の内容を確認しながら添付するのがおすすめです。自分から企業に提案するときも、短い自己紹介と、どんな投稿で商品を紹介できるかを書いたうえで添付します。
プロフィールのハイライトやnoteに、メディアキットの内容を簡単にまとめておくと、担当者が事前にアカウントの特徴を知ることができます。依頼を受けたときの返信の書き方は、noteの記事で例文つきで紹介しています。

クリエイターマーケットプレイスのポートフォリオも活用する
Instagramには、ブランドとクリエイターをつなぐ「クリエイターマーケットプレイス」という公式の仕組みがあります。Instagramの公式ブログでは、日本を含む8つの市場に拡大することが発表され、日本では2024年から提供されています。
参加すると、プロフェッショナルダッシュボードから、興味のあるブランドの種類を設定したり、ブランド向けのポートフォリオを作ったりできます。公式ヘルプのクリエイター向けのマーケティングの仕組みも確認してみましょう。利用できる条件は、年齢やアカウントの種類、フォロワー数などによって異なるため、ダッシュボードに表示されるかを確かめてください。メディアキットの内容は、ポートフォリオの文章にもそのまま活かせます。
数字は3か月に一度更新する
メディアキットの数字は、時間がたつと古くなります。3か月に一度など、見直す時期を決めて、フォロワー数や平均の閲覧数、新しい実績を更新しましょう。資料のどこかに「〇年〇月時点」と書いておくと、担当者も数字の時期が分かって安心です。
更新のたびに数字を比べると、自分の発信がどう伸びているかも分かります。伸びている数字は、次のメディアキットでの強みになります。
報酬・二次利用・PR表記は文字で確認する
依頼を引き受ける前に、報酬の金額と支払いの時期、投稿の形式と本数、写真や動画の二次利用の範囲、PR表記のしかたを、メールなどの文字で確認しましょう。口約束のままにすると、あとで「聞いていた内容と違う」というトラブルになりがちです。
2024年11月に施行されたフリーランス法では、個人に仕事を発注する事業者に、仕事の内容や報酬の額、支払期日などの取引条件を明示することが義務づけられています。詳しくは、公正取引委員会のフリーランス法特設サイトで確認できます。条件がはっきりしない依頼は、遠慮せずに書面での明示をお願いしましょう。PR表記のルールは、次の記事で解説しています。

プロフィールとメディアキットの内容をそろえる
メディアキットに書いた発信テーマや得意なことは、Instagramのプロフィールの自己紹介とそろえておきましょう。資料を見た担当者がプロフィールを開いたときに、同じ強みが伝わると、信頼感が高まります。プロフィールの書き方は、次の記事で解説しています。

企業案件のほかにも、Instagramで収益を得る方法はいくつかあります。収益化の条件と方法は、次の記事でまとめています。

仕事の依頼が来るプロフィールの整え方は、noteでも紹介しています。

メディアキットの作成チェックリスト
- ☑ 発信テーマを一言で書いた
- ☑ インサイトの数字を、期間とあわせて載せた
- ☑ フォロワーの年齢層や性別を載せた
- ☑ 実績、または代表作を3〜4つ載せた
- ☑ できる投稿の形式と、仕事用の連絡先を書いた
- ☑ 「〇年〇月時点」と書き、PDFで書き出した
- ☑ 次に数字を更新する時期を決めた
SNSで企業から仕事をもらう方法がわかる本
インフルエンサーや発信者が、企業と仕事をするときの考え方や、提案・交渉のしかたを学べる解説書。メディアキットを使って案件につなげたいときに役立ちます。
企業案件をうたう詐欺DMや、アカウントの乗っ取りへの備えは、次の記事で解説しています。

企業案件の報酬を受け取ったあとの確定申告と、商品提供の扱いは、次の記事で解説しています。

DMでのやりとりの注意点と、送信取り消し・既読の仕組みは、次の記事で解説しています。

よくある質問
Instagramのメディアキットについて、よく聞かれる疑問にお答えします。
フォロワーが少なくてもメディアキットは必要ですか?
必要です。フォロワーが少ない段階でも、発信テーマや保存数、フォロワーの属性を伝えると、テーマに合う企業から声がかかることがあります。
メディアキットに料金を載せたほうがいいですか?
必ずしも載せる必要はありません。投稿の形式や二次利用の有無で作業量が変わるため、依頼の内容を聞いてから見積もりを出す方法がおすすめです。
メディアキットは何ページくらいがいいですか?
1〜2ページが目安です。担当者が短い時間で読めるように、項目を絞って見やすくまとめましょう。
数字を実際より良く見せてもいいですか?
おすすめしません。いちばん伸びた投稿の数字だけを載せると、依頼したあとの結果と差が出て、信頼を失う原因になります。平均の数字を期間とあわせて載せましょう。
クリエイターマーケットプレイスに参加できない場合は?
利用できる条件はアカウントによって異なります。参加できなくても、メディアキットとプロフィールを整えておけば、メールでの依頼や提案には十分対応できます。
まとめ|メディアキットで「依頼したくなる理由」を伝えよう
Instagramのメディアキットは、プロフィール、アカウントの数字、フォロワーの属性、実績、できること、連絡先の6つの項目を、1〜2ページにまとめた資料です。数字はインサイトで確認し、期間を決めて平均の数字を載せましょう。実績がなくても、代表作を見本として載せれば作れます。
問い合わせへの返信や提案のときに添付し、3か月に一度は数字を更新します。依頼を受けるときは、報酬・二次利用・PR表記などの条件を、必ず文字で確認してください。
まずは今日、インサイトで過去30日間の数字とフォロワーの属性を確認し、メディアキットに載せる項目を書き出すところから始めてみてください。
この記事を書いた人
くらしノート編集部。Instagramで見つけた暮らしのアイデアを、noteとこのブログで記事にまとめています。数字は盛らずに、期間を決めた平均の数字で伝えることを大切にしています。




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